日本の運送業を支えているのは大型トラックだけではなく、軽バンも主軸の一つと言えるくらい街中で見かけると思います。
その中でもよく走っているのがスズキのエブリイ、ダイハツのハイゼット、ホンダのアクティーあたりです。
そこで、2018年にホンダから軽バンの新常識N-VANが発表されました。
今までの軽バンはセミキャブオーバーで、運転席の下にエンジンがあって後輪駆動でした。
しかし、N-VANは今売れ筋のFFプラットフォームベースで作られました。
それは、今まで再現できなかった室内空間を最大限に利用できるメリットがあり発売当初は世間を揺るがしました。
ところが、発売から6年ほどが経ち、売上が落ち着きライバルである、エブリーとハイゼットに大きな差をつけられてきています。
そのため、いよいよ生産終了してしまうのではないかと噂が立っているのが現状です。
そこで、この記事ではN-VANがここまで販売低迷した理由を分析して説明します。
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n-vanは生産終了なの?
昨今の車業界は半導体不足で生産台数が落ちてしまっています。
そのため、そもそも販売台数が稼げなくて生産中止に追い込まれる車種も多いのではと感じるでしょう。
過去に、同社のフィットシャトル、インサイト、CR-V等複数車種の生産中止を発表されたことがあります。
そのため、ホンダの4輪事業の赤字具合から残念ではあるが予想される展開となってしまったのではないでしょうか。
N-VANをネットで検索すると、「N-VAN 生産終了」という検索予測が出てきます。
なので、同じ運命をたどってしまうのではないかと心配する人は少なくないと思います。
しかし、うれしいことに噂や心配だけで実は生産終了の予定は今のところはありません。
N-VANのEV車が5月から先行予約開始の情報もあります。
N-VAN COOL生産終了の理由とは?
N-VAN標準仕様のルーフがさげられた改造版だったN-VAN COOLは2021年2月の一部改良で廃止となりました。
もともとデビュー当初は前型車でもあるバモス標準仕様の後継車として設定されていました。
しかし、ほかのシリーズとの差別化もあまりなく装備も簡素で中途半端なイメージです。
例えば、ヘッドライトがハロゲンだったり、カスタム仕様の割には標準仕様とオプションに差別化がうまくできませんでした。
結果的にハイルーフ仕様のスタイルファンに人気が集中することとなり、生産終了となりました。
N-VANとN-VAN COOLの違い
N-VANはスズキ エブリーやダイハツ ハイゼットのように仕事で使う簡素な軽貨物的な内装です。
対して、N-VAN COOLはメッキグリルやLEDフォグランプやレトロデザインのホイールキャップが採用し差別化が図られました。
さらに、普通乗用車のようにポップなボディカラーに質感を高めたインテリアなどを採用しています。
軽貨物でありながら普通乗用車に負けないクオリティーを持つグレードとなってます。
n-vanの基本情報
ここではN-VANはどんな車?普通の軽バンなんじゃないの?と思っている人は少ないとおもいます。
なので、ここからはN-VANの基本情報を説明します。
スペック
以下がN-VANの基本的なスペックとなっています。
サイズ感は他の軽バンと大差はないように見えます。
型式 | HBD-JJ1 | 最小回転半径 | 4.6m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 3.4m×1.48m×1.95m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.52m |
ミッション | 6MT | 前トレッド/後トレッド | 1.31m/1.31m |
AI-SHIFT | – | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | – | 車両重量 | 930kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | 350kg |
乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | インパネ | 最低地上高 | 0.16m |
マニュアルモード | – | ||
標準色 | ルナシルバー・メタリック、タフタホワイトII |
燃費
燃費の良さはN-VANが他メーカーと大きくリードする一つであります。
各トランスミッションごとの最も燃費の良いグレードで比較した場合、ライバルと比べ圧倒的な低燃費性能を実現しています。
燃費(km/L) | ハイゼット | エブリィ | N-VAN | |||
トランスミッション | CVT | 5MT | 4AT | 5MT | CVT | 6MT |
駆動方式 | FR | FR | FR | FR | FF | FF |
WLTC[国土交通省審査値] | 15.6 | 14.9 | 14.6 | 17.2 | 19.2 | 19.8 |
市街地モード | 14.2 | 13.1 | 12.8 | 15.1 | 17.9 | 17.8 |
郊外モード | 16.7 | 16.2 | 15.0 | 18.1 | 20.5 | 20.7 |
高速道路モード | 15.6 | 15.0 | 15.2 | 17.7 | 19.0 | 20.2 |
外装・内装
過去にカーオブザイヤー特別賞や、色によってはオートカラーアワードでグランプリを受賞して、車の中でもかなりの仕様に仕上がっていることがわかります。
まず、エクステリアから紹介します。
特徴的な丸目ヘッドライトにグリルのクロムメッキ、に加えてLEDフォグライトで、レトロ感を演出しながら現代の仕様になっております。
次に、リアに関しては、室内空間を最大限に生かすために箱型のフォルムに薄型のコンビランプとなっています。
そのため、非常にシンプルな仕上がりとなっております。
インテリアに関しては、ブラックを基調としたとても頼もしい道具感漂うそんな室内となっています。
もちろん、道具としてだけではなく、ドライバーや同乗者を考慮したつくりとなっております。
性能
性能面で大きく変わってくるパワーユニットはN-BOXと共通の「S07B」型を、商用車特有の積載負荷を考慮して最適化しています。
ターボエンジンのスペックはN-BOXと同一で、ハイゼットのターボエンジンと比べるとトルクで大きく勝っています。
※2022年5月時点 | 最高出力(kW[PS]/rpm) | 最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) |
ハイゼット | 47[46]/5,700 | 91[9.3]/2,800 |
エブリィ | 36[49]/6,200 | 60[6.1]/4,000 |
N-VAN | 47[64]/6,000 | 104[10.6]/2,600 |
さらにトランスミッションはホンダの商用車では初採用となるCVTを全タイプに設定。
さらに、NAエンジン搭載車はS660用をベースに改良した6速マニュアルを軽商用車で初採用しています。
販売台数の推移
N-VANの立ち位置を確認するために、エブリーやハイゼットと言ったライバル社との売れ行きを比較してみます。
ここでは全国軽自動車協会連合会が公表している「軽四輪通称名別新車販売台数」を基に考えてみます。
N-VANが発売を開始した2018年7月以前から2022年3月までの販売台数をグラフを引用しました。
引用:全国軽自動車協会連合会
グラフからわかるように青のN-VANは発売したからと言ってスズキのエブリーやハイゼットの販売台数に影響与えたようには見えません。
基本的に新な層の顧客を獲得しているだけで、ライバルの顧客を奪うことができていません。
そのため、ほぼ2倍の差をつけられていおり、同じ土俵にいないことが明白です。
n-vanで生産終了したカラーは?
今までは通常のN-VANのホワイトとシルバーとは別に、N-VAN +STYLEのカラーがありました。
N-VAN +STYLEにはイエロー、グリーン、レッド、サーフブルー、スポーティブルー、プラチナホワイト、グレー、ブラックがあります。
しかし、仕様変更でボディカラーも変更となりました。
発売当初から設定されていたプレミアムイエロー・パールII(有料色)とガーデングリーン・メタリックの2色が廃止され、6色に整理されました。
n-vanが売れない理由は?
新たな軽バンの時代を作ろうとしたN-VANです。
しかし、今までとは違うことしたが故に売れない理由を作ってしまったといっても過言ではありません。
ここではその理由について詳しく説明します。
価格が高い
まず軽バンの一番の魅力とも言っていい低価格ですが、他社の軽バンと比較してもスタート価格が高いことがネックとなっております。
ここで各社モデルの最安値と最高価なグレードを並べてみました。
ハイゼット | 5MT | FR | 1,045,000 | スペシャル |
CVT | 4WD | 1,606,000 | クルーズターボ | |
エブリィ | 5MT | FR | 991,100 | PA(ハイルーフ) |
4AT | 4WD | 1,519,100 | JOIN(ハイルーフ) | |
N-VAN | CVT/6MT | FF | 1,276,000 | G |
CVT/6MT | 4WD | 1,872,200 | +STYLE FUN・ターボ |
各社2WD,4WDとAT,MTを選べる豊富なグレード展開となっていますが、エブリーに関しては100万を切る価格となっております。
またハイゼットも価格ではエブリーよりは高いものの、100万に近い価格となっています。
前輪駆動
通常の車であれば、荷室空間を最大限に活用するために前輪駆動にしてパッケージングしていきます。
しかし、軽バンなどの貨物車は荷物を積めば積むほど後輪側に荷重がかかります。
つまり後輪駆動(あるいは後輪駆動ベースの4輪駆動)であるほうが、しっかりとトルクを地面に伝えることができるため走行も安定します。
しかし、ライバルが後輪駆動なのに対し、N-VANはN-BOXをベースとしているため前輪駆動を採用しています。
4WD仕様はビスカスカップリング方式を採用していますが、やはり駆動輪と比較するとトルク性能が大幅に劣ります。
荷室の長さが短い
上記でも記載している通りN-VANは2代目N-BOXベースとしたFF車用プラットフォームをベースとしたトールワゴン型のスタイルを採用しています。
これにより前型のミッドシップエンジンレイアウトを採用していたアクティバンとの比較で、
どうしてもエンジンのレイアウト上、荷室長が大幅に削減されています。
※2022年5月時点 | ハイゼット | エブリィ | アクティバン | N-VAN |
荷室長(2名乗車時) | 1,915mm | 1,910mm | 1,725mm | 1,510mm |
荷室フロア長さ | 1,965mm | 1,955mm | 1,940mm | 1,585mm |
ここには記載しておりませんが、荷室高や幅などはアクティと比べて改善されています。
見た目の荷室レイアウトは悪いわけではありません。
しかし、軽バンの本来の目的である貨物移動という面では決して無視できる項目ではないのが事実です。
ターボがいらない
ターボ搭載車の+STYLE FUN TURBOは、1,872,200円~と普通車並みの価格です。
上記の価格が高いとこで述べた通り200万円近いお金を出してまで軽の商用車を好んで買う人はごく少数だと揶揄されます。
また価格以外にも、N-VANを購入する層が根本的にライバルとは違うことがうかがえます。
市街地で使用するならターボはいらないであったり、そもそもパワーを求める人はN-VANをそもそも購入しないなどの意見があります。
ガソリンタンク容量が少ない
とにかく貨物をより多く運搬するには多くの燃料が必要になります。
ただ、N-VANは実はライバルと比較して燃料タンクも小さくなっております。
ホンダ「N-VAN」 | 27ℓ(※4WD仕様は25ℓ) |
スズキ「エブリィ」 | 37ℓ |
ダイハツ「ハイゼットカーゴ」 | 40ℓ~ |
一般的な燃料タンク容量の目安は、軽自動車で30ℓ、コンパクトカーで40ℓと言われています。
N-VANは軽自動車の標準値である30ℓを切ることから、その分給油を頻繁にしなければいけません。
そのため、給油が面倒や容量が少なくてがっかりなどと不満の声があげっております。
n-vanを買って後悔したという人の口コミ
荷室の開口は高く、立てて荷物を入れる時は便利ですが、やはり室内長の短さと開口の幅が狭いのが一部の利用者には不便と思う人もいます。
n-vanの魅力は?
ここまでN-VANのデメリットを紹介してきましたが、軽バン業界に新しい風吹かせた魅力もたくさんあります。
ここからはなぜN-VANが選ばれるのか紹介してきます。
デザインが良い
まず一番わかりやすいデザインが他の軽バンとは違って特徴的です。
軽バンはもともと貨物運搬前提で作られてますのでどうしてコスト削減で外装内装がシンプルでチープな印象になります。
ただし、N-VANは売れ筋のN-BOXをベースに開発されています。
そのため、スタイリッシュで街乗りをしていても他の軽バンと比較してもちょっと目を引くデザインになってます。
特に多い意見は四角過ぎず丸過ぎないかわいい見た目が唯一無二のエクステリアで飽きの来ないデザインとなっております。
シートアレンジが豊富
N-VANでは助手席と後席を床面に収納できます。
さらに段差なくフラットな荷室空間を確保することができます。
そのため、長物を積むことが可能なうえに加工なし車中泊も可能となっております。
これはN-VANがFFで通常後輪に駆動を伝えるプロペラシャフトがないベースだから実現ができたと考えられます。
この機能が欲しくてN-VANを購入にして人は少なくなく、発売当時はかなり衝撃を軽バン業界に与えました。
荷室が広く積みやすい
ライバルと比較して荷室が高くて大きな荷物を運搬する時も便利となっております。
実際に比較するとスズキのエブリーは1240mm、ダイハツのハイゼットカーゴは1235mmです。
これらに対してN-VANは1365mmとなっており、130mm近く余裕のある設計となっております。
この室内高だと、170Lクラスの冷蔵庫を立てて入れられたり、釣り具やキャンプ道具を軽々積められるサイズとなっております。
またN-VANは最大積載である350kgまでを積むことができるため、広さ生かして重量物を運ぶことができる。
低燃費
最後になんといっても選ばれる理由はライバルと比較すると圧倒的な低燃費性能があるからだと考えれます。
WLTCモードで比較するスズキ エブリーは5MTで17.2km/l、ダイハツ ハイゼットカーゴはCVTで15.6km/lとなっておいます。
N-VANは6MTで19.8km/lとなっているため、2km/l以上差が出ている。
これはガソリン満タンにしたと考えた場合2km/l×30lで60kmも走行距離の差が出るとわかります。
特にN-VANを商用として使いたいと思っている人はここの燃費の差見逃せない値となっております。
n-vanの中古価格は?
新車価格が127万~158万に対して中古の相場は110万となっております。
まだ発売から時間がそこまでたっていないのと、ライバル車と比較して販売台数が少ないから新車値段に対して中古は下がってきてません。
逆にとらえると新車を購入しても激しい値落ちに合わないので安心して購入できます。
また商用車とだけではなく、アウトドア趣味に最適であったり、バイクを積むことができることから、幅広い人に人気のため値段がそこまで下がらない原因と推測されます。
n-vanがおすすめの人は?
N-VANがまずおすすめな人は、軽バンを購入したいけど、平凡なデザインが飽きた人や他とかぶりたくない人です。
おそらく多くはまずN-VANのデザインに惹かれると思います。
次におすすめな人は、荷物運搬する際に冷蔵庫の様な立てて運ぶものが多い人になります。
ライバル車と比較して室内高が高いのでこれを重宝する人は少ないはないと思います。
最後におすすめな人はアウトドア趣味があって荷物の運搬が必要になる人になります。
収納も多いうえに自由自在に変えられるシートアレンジが汎用性が高くどんな趣味にも対応していると言えます。
「n-van 生産終了」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:n-vanはデメリットもあるが荷室が広く魅力ある車
ここまでN-VANのメリット、デメリットを説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
軽バン業界を大きく変えたデザイン性と新な荷室の考え方がこの車の売りとなってます。
室内長をライバルと比較して確保できてないことは除いてはデザイン、燃費、実用性は勝っているように感じられます。
なので商用で大きい荷物を運ばないもしくは単純な価格で軽バンを選ぶのであれば、ライバル車になるかと思います。
しかし、それ以外のプライベートで趣味がある場合はN-VAN一択だと言っても過言ではありません。
そんなN-VANが生産終了と噂されているのが少し残念ですが、まだ今のところ販売は続いています。
なので是非購入の検討をしてもどうでしょうか?
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