フーガは、日産自動車が、2004年10月~2022年8月まで販売した、4ドアセダン高級乗用車です。
ヨーロッパの自動車分類方法では、Eセグメント(全長4,800㎜から5,000㎜、3,000cc以上6気筒のエンジンを搭載する大型車)に属します。
フーガは現在(2024年1月)では、販売が終了しています.
今、フーガを購入したいという場合は、中古車で購入するしかありません。
しかし、中古車のフーガは、他の中古高級車と比較すると、かなり価格が安いことで知られています。
そこで、この記事では、フーガの中古車が安い理由や、中古車を購入する際の注意点などについて、解説します。
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フーガの中古が安い理由は?
フーガの中古が安い理由は様々ありますが、ここでは、その中でも代表的なものを取り上げて、一つ一つ解説してゆきます。
古い車体が多い
初代フーガは、2004年から2009年まで販売されました。
現在、中古車市場で流通している初代フーガは新車登録からほぼ15年から20年が経過しています。
古い車になればなるほど、故障リスクが高まり、また、購入してから乗れる期間も短くなります。
そのため、中古車市場での人気が低下し、その結果、価格が安くなります。
中古車は、新車登録から10年を経過した時(10年落ち)、又は、走行距離が100,000㎞を超えると、一気に値段が下がると言われています。
中古車市場に流通しているフーガは、10年落ちの車が多く、全体的に価格が低調になります。
維持費が高い
フーガの排気量は、2,500ccか3,000ccです。
毎年課税される自動車税は、排気量が多いほど、高くなります。
2,500ccで51,700円、3,000ccで66,700円です。
コンパクトカー(ホンダ・フィットは30,500円)などに比べ、かなり高い水準です。
自動車重量税は、車両重量0.5t当たり4,100円ですが、フーガの車両重量は1,700kgから1,810kgですので、1年分で16,400円となっています。
こちらも、コンパクトカー(ホンダ・フィットは1年分で12,300円)に比べ、高い水準です。
このように、排気量が大きく重量も重いフーガを保有していると、税金などの維持費が高額になります。
そのため、敬遠されてしまい、中古車市場で人気が出ないので、中古車の価格が安くなります。
修理部品の取り寄せが困難
フーガが販売を開始したのは今から20年ほど前ですので、修理部品の中には、現在、生産が終了しているものもあります。
そういった部品は、中古部品市場から取り寄せることになります。
もし、中古部品市場にその在庫がなければ、その部品が供給されるまで、故障したフーガは修理できないことになります。
幅広い車種に共通に装備される部品であれば、こういったこともないと思います。
しかし、フーガ独自の部品であれば、そういう事態が発生する可能性があります。
特に、古い車になればなるほど、このリスクは高くなります。
一度故障すると、修理が大変だというイメージが浸透しています。
そのため、フーガの中古車を買う人は少なくなり、その結果、価格が下がります。
燃費が悪い
フーガの燃費は、WLTCモードで、市街地6.6Km/L、郊外モード10.Km/L、高速道路12.7Km/Lとなっています。
ちなみに、ライバル車であるトヨタ・クラウンの燃費は、同じくWLTCモードで、市街地14.4Km/L、郊外18.4Km/L
高速道路19.7Km/Lとなっています(いずれもガソリン車)。
フーガの燃費は、クラウンに比べて、かなり悪くなっています。
現在主流のコンパクト・ハイブリットカーなどは、燃費が20㎞/Lを超えることは当たり前になっています。
そんなご時世に、街乗りでガソリン1Lでわずか6.6㎞しか走らないとなると、購入希望者はかなり減ります。
ガソリンを大量に消費することも、エコ意識に敏感な現在の世代にはマッチしません。
燃費が悪いと、購入後にガソリン代が高くて大変だ!!
そのように思われて、フーガの中古車を購入しようとする人は、少なくなります。
その結果、フーガの中古車の価格が安くなります。
需要が少ない
フーガは、日産の高級車セドリック、グロリアの後継者として登場しました。
なので、フーガのターゲットは、高級車をステータスとして買うグループなどです。
しかし、フーガよりも、トヨタのクラウンかレクサスのほうが、ステータスを表現するのに適切だというイメージが定着しています。
高いお金を払ってフーガを買っても、周りの人からそれほどステータスにみられないとすると、フーガを買おうとする人は少なくなります。
その結果、需要が少なくなり、価格が下がります。
ライバルモデルの人気
フーガには、強力なライバルモデルが複数存在します。
同じ日産にはスカイラインやティアナ、外には、トヨタ自動車のクラウンやレクサスなどがあげられます。
日産ファンの間では、フーガとスカイラインなどで顧客を取り合いになります。
さらに、ライバル社とは、クラウンなどと顧客を取り合うので、フーガの需要は伸びませんでした。
ちなみに、2018年のフーガの累積販売台数は1,449台である一方、同じ年のトヨタ・クラウンの販売台数は40,240台です。
この結果は、高級車を求める層の需要の大半が、クラウンに流れていることを意味します。
フーガには少しの需要しか流れてこないので、値段が下がってゆきます。
セダンの不人気
現在は、SUVやトールワゴンなど、エンジン+客室・荷室の2BOXカーの人気が高く、エンジン+客室+荷室の3BOXカー(セダン型)の人気は、下火になっています。
かつてはセダン型が主流であって高級車でも、SUV型高級車が次々と登場しています。
フーガはセダンですので、最近のセダン型車両の人気の低下の影響を受けます。
普通の自動車ユーザーは、使い勝手のよいトールワゴンに、高級志向のユーザーは、SUV型高級車に、それぞれ需要が流れるので、フーガには少しの需要しか来ません。
その結果、中古車市場での売れなくなり、価格が下がります。
フーガの中古でメリットはなに?
フーガが中古車市場で人気がないことは事実です。
では、中古でフーガを購入するメリットって全くないの?
そんな疑問を持ってしまうかと思います。
中古で購入するメリットがないかと言うと、必ずしもそうではありません。
いくつかの点については、中古のフーガを購入することが有利になります。
以下では、中古のフーガを購入することのメリットについて、書いてゆきます。
新車より格段に安い
フーガは2004年~2022年まで販売されましたが、そのうち1回だけ、2009年にフルモデルチェンジが行われました。
そのため、2004年から2009年までに販売されたものを初代フーガ、それ以降に販売されたものが2代目フーガになります。
初代フーガは、現在中古車として流通している車は、すべて10年落ちなので価格が安く、ほとんどが100万円台の値段となっています。
新車のフーガの価格は500万円以上です。
なので、新車価格を考えると、初代フーガの中古を選べば、格段に安い価格でフーガを手に入れることができます。
内装が素晴らしい
フーガは、高級車をステータスとして購入する層をターゲットにして設計されています。
そのため、フーガの内装は、プレミアムセダンにふさわしい品格やエレガントさを持つ、上質な室内空間に仕上がっています。
シート素材も本革が使われていて、ラグジュアリー(豪華な、贅沢なという意味)な雰囲気を際立たせています。
新車販売価格が500万円以上もするので、内装が素晴らしいものになるのは当然です。
初代フーガだと100万円台で買えますから、チープな内装の新車を買うよりも、フーガの中古を買った方がより満足が得られることもあります。
走行性能に優れている
フーガのエンジンは、排気量2,500cc又は3,500ccのV型6気筒DOHCエンジンで、225馬力を有します。
軽自動車の最大馬力は64馬力ですから、フーガのエンジン馬力は軽自動車の3倍以上です。
この大出力のエンジンを搭載しているため、フーガの加速は素晴らしく、交差点の信号待ちからの加速でストレスを感じることはありません。
排気量が大きいですので、アクセルを軽く踏んだだけで、一気に加速します。
走行音も静かで、地面からの衝撃を吸収するサスペンションもよいものを装備しているため、乗り心地もばっちりです。
故障することが少ない
フーガの生産が開始したのは2004年です。
2000年代以降に日本で製造された車は、その前の年代に生産された車と比較すると、質が良くなっていて、10万㎞以上走っても、まだまだ十分、普通に走れます。
10万㎞以上走ると、急に故障が多くなるというのは、2000年以前に製造された車の話です。
中古のフーガも、10万㎞以上走っている車が多いですが、2000年以降に日本で生産された車なので、古くなっても、故障率はそれほど上がりません。
そのうえ、もともと高級車ですので、エンジンも丈夫に作ってあるので、故障しにくくなっています。
フーガは人気がないの?
フーガの人気はあまり高くはありません。
日本のセダン型高級車というと、トヨタのクラウン、日産のスカイラインを思い浮かべる人は多いと思います。
フーガを思い浮かべる人は稀です。
また、フーガの中古車は、他の高級車の中古車に比べて、価格がかなり安くなっています。
中古車市場では、人気のある車の値段は上がり、人気のない車の値段は下がります。
フーガの中古の値段が低いということは、それだけフーガの人気がないことが意味します。
フーガの中古相場は?
フーガの中古相場は、110万円から260万円です。
10年落ち(新車登録から10年以上経過した中古車)であれば、ほとんどの車は100万円台で購入できます。
5年落ちであれば、200万円以上の価格帯が多くなっています。
フーガの新車価格は500万円以上ですから、10年落ちであっても、100万円で購入できるということは、フーガの中古車はかなり安く購入できます。
10年落ちでも、メンテナンスがしっかりしているフーガであれば、まだまだ十分に走れますので、掘り出し物になるかもしれません。
フーガの中古でおすすめのグレードは?
フーガの中古でおすすめのグレードは、フーガ250GTAパッケージです。
これは、2009年のフルモデルチェンジ後に登場した2代目フーガのエントリーモデル(初心者向けモデル)です。
エントリーモデルといっても、フーガは高級車の位置づけなので、基本的な快適装備や安全装備は豊富に搭載されています。
また、2代目なので、比較的新しい車です。
エンジン排気量は2,500ccと、フーガの中では最小ですが、225馬力が出るので、普通に運転する分には、十分すぎます。
相場も108万~129万円程度なので、購入しやすいのも魅力です。
フーガの中古車を購入する際の注意点
中古のフーガを安く買っても、すぐ故障して廃車にしてしまったら、何にもなりません。
なので、事故歴の有無や整備記録をよく調べておく必要があります。
年式や走行距離も確認します。
年式が古かったり、走行距離が長いと、劣化が進んでいて、購入後に維持費がかさみますから、注意が必要です。
フーガは、排気量も大きく、車体重量も重いため、税金が高いです。
燃費も悪く、大量のガソリンを消費するため、燃料代も高くなります。
それだけの維持費・管理費を支払って、フーガを購入する価値があるかどうかも、よく考えないといけません。
フーガはどんな人におすすめ?
フーガは、高級車ですので、基本は、高級車にステータスを求める人がおすすめです。
確かに、フーガの中古車は安く買えますが、燃費が悪く、大量のガソリンを消費し、自動車税や自動車重量税も高いです。
高級車にステータスを求める人でなければ、コンパクトカーの方がおすすめです。
できるだけ節約して、高級車を手に入れたいという人にも、フーガはおすすです。
フーガのブランド価値については、少々不安なところもあります。
しかし、外観からは、新車で買ったか中古で買ったかは分かりません。
なので、中古のフーガに乗っていても、一定のステータスと満足感は得られるでしょう。
「フーガ 中古 安い理由」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:中古でもしっかりメンテナンスしている車を選べば問題がない
フーガは、しっかりメンテナンスされている車であれば、中古で買っても、特に大きな問題はありません。
購入後、長い期間、そして、長い距離をトラブルなく乗り続けることができのであれば、フーガの中古車は格安ですので、手軽な値段で高級車を取得できる、お値打ち品になります。
フーガは、ブランド力という点に関しては、トヨタのクラウンやレクサスにかないません。
しかし、高級車には変わりありませんし、一時、日産自動車のフラッグシップ(代表)モデルなった実績もあります。
メンテナンス状態をしっかり確認したうえで購入するのであれば、中古で買っても後悔はないでしょう。
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