1957年にイタリアの国民車として産声を上げ、世界中で愛されたチンクエチェント(500)ことヌォーヴァ500。
イタリアのイメージリーダーとして長きに渡り愛されており、映画やアニメ作品などでの活躍をイメージする方も多いです。
小さなボディに愛嬌たっぷりの顔付きのヌォーヴァ500は、排気量500ccの2気筒エンジンをリアに搭載したRRのパッケージです。
家族4人と荷物が載り、経済性にも優れていたことから、当時バイク社会であったイタリアで自動車を普及させることにも貢献した国民車でした。
現代のフィアット500は、そんなヌォーヴァ500の50周年を記念して、2007年に誕生しました。
ヌォーヴァ500をそのまま大きくしたようなエクステリアは世界中で愛されました。
そして、登場から2023年現在にいたるまで売れ続けている人気車種になりました。
搭載されるエンジンは1.2Lと1.4Lと直列4気筒と、2010年に追加されて話題を呼んだ0.9L直列2気筒ターボの「ツインエア」です。
そんな「ツインエア」が生産終了する情報が入ってきましたので紹介させていただきます。
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フィアット500のツインエアが生産終了
現代の普通車は基本的にどれも4気筒エンジンのことが多く、軽自動車でも3気筒エンジンが多いです。
つまり今回紹介するフィアットツインエア500のツインエア2気筒エンジンは車業界でも珍しい部類のエンジンなのです。
逆に今まで生産されていたのが奇跡に近いです。
ここからはツインエアの生産終了について紹介します。
ツインエアエンジンはいつ終了?
ステランティス社の日本法人であるステランティスジャパン社より、2023年10月末をもってのTwinAir エンジン生産終了が正式にアナウンスされました。
内容は下記の通りでした。
フィアットのTwinAirエンジンは、低燃費かつエコな走りを実現したエンジンとして2010年3月のジュネーブ国際モーターショーにおいて初公開されました。
国内では「500」、「500C」、「Panda」の3モデルに搭載され、フィアット・ブランドの代名詞として、12年間、多くのファンから愛されました。
そのTwinAirエンジンは、本年10月末をもって生産が終了されます。
ここまで長く2気筒エンジンを生産していたメーカーに本当にすごいです。
フィアット500の販売はいつまで?
フィアットはすでに、2023年3月にフィアット500の内燃機関の販売を終了すると発表しています。
2007年にポーランドのティチで初めて生産されて以来、長い長いキャリアを楽しんできた車でした。
内燃機関を動力源とする500の生産は、ヨーロッパでは予定通り2023年末で終了する予定です。
ディーゼルエンジン搭載のフィアット500は、電気自動車に置き換えられます。
今後フィアット500を購入したい場合は?
今後生産終了される内燃機関搭載のフィアット500の中古車相場が上昇する可能性が高いのでできるだけ安く入手する方法を紹介します。
●決算期を狙うこと
販売業者は売り上げを確保するために、3月の決算期の前に車の価格を下げる傾向にあります。
少しでもお得にフィアットを購入したい方は、2月・3月を狙いましょう。
中間決算期の9月も、2月・3月と同様に車の値段が下がりやすい時期になるため、通常の相場より安い価格で購入できるでしょう。
決算期のタイミングに合わない場合は、6月・7月・12月もボーナス商戦や歳末キャンペーンなどで価格が安くなることがあります。
タイミングを見極めて購入することが大切です。
●相場の変動を日々チェックして値下がりのタイミングを狙うこと
相場の変動を日頃からチェックしておくことも、安く購入する方法のひとつです。
こまめに相場をチェックしておくことで、値下がりしたタイミングで購入できます。
インターネットで購入したいモデルの価格や一般的な相場をふだんからチェックしましょう。
ツインエアエンジンとは?
20世紀の後半まで、スモールカーや軽自動車のパワーユニットは2気筒が一般的です。
軽量かつコンパクトに設計でき、コストの点でも有利だったが、弱点もありました。
3気筒や4気筒と比べると、ノイズや振動が大きく、そのため姿を消していきました。
しかし、フィアット・クライスラーは最先端の電子制御技術を盛り込んで新時代の直列2気筒エンジンを送り出した。
それが「ツインエア」です。
時代が求めるダウンサイジングに加え、シリンダー数を減らして、意表をつく直列2気筒を完成させました。
ただ排気量も小さくしたため、動力性能には余裕がなくインタークーラー付きターボを装着してライバルを凌ぐパワーとトルクを手に入れました。
主要メカニズムは、今の時代の主流となっているDOHCの4バルブ方式で排ガス対策を意識してロングストローク設計となりました。
ボア80.5㎜×ストローク86.0㎜で、総排気量は875ccで、ノッキング回避と機械の抵抗損失を意識したボア/ストローク比を選んでいます。
この独創の2気筒エンジンを積むのはフィアット500系やパンダ、ランチア(クライスラー)のイプシロンです。
フィアット500の魅力は?
フィアットの特徴のひとつはサイズです。
コンパクトに設計されており、街乗りの運転ではストレスを感じさせない走りが可能です。
もうひとつの特徴はデザインです。
丸みを帯びたデザインになっており、さまざまなシーンで強い存在感を与えられるでしょう。
インテリアにもこだわりを持っており、機能性とデザイン性を兼ね備えています。
フィアットなら毎日の通勤や送迎、週末や休日のドライブなど、さまざまな用途で使えるでしょう。
フィアットではデュアロジックと呼ばれるミッションを採用しているモデルがあります。
マニュアル車に似た構造ですが、違いは自動変速モードを採用していることです。
シフトレバーによるマニュアル操作は可能ですが、自動変速モードを使用すればオートマチック車のように変速を任せられます。
シーンに応じてデュアロジックのモードを使い分けられるのです。これらがフィアット500の魅力になります。
フィアット500ツインエアの欠点は?
フィアット500の欠点としては、以下があげられます。
- ●維持費・修理費の高さ
- 外車なので例外なくハイオク指定なのでサイズに割には燃料代が高くつきます。
また修理免では国産車なら工賃含め1万円で済む部品交換があったとして、フィアット500の場合には2〜3万円近くかかる計算になります。 - ●デュアロジックの振動
- デュアロジックが変速する際、車両にトンデモナイ振動が生じます。
たとえるなら、初心者が運転するマニュアル車に乗っているかのような揺れが生じます。 - ●エンジン音のうるささ
- フィアット500は、可愛らしいルックスに似合わないワイルドな音を出します。
- 排気音もそうですし、車内にまで伝わってくるエンジン音もそうです。
つまり、静粛性が低いということです。 - ●後席への乗降性の悪さ
- フィアット500チンクエチェントの乗車定員は4名ですが、3ドアです。
ゆえに、後部座席に人を乗せる場合には、前席シートの背もたれを倒さなければなりません。
フィアット500ツインエアは故障しやすい?
日本は「衛生管理や審査基準が徹底している」というイメージが強いため、国産という言葉に安心感を得ている方は多いでしょう。
それは車にもいえることで、高い技術力が注目され続けてきた日本車は、故障の心配も少なく安心して購入できます。
一方でイタリア車に限らず、輸入車全般に対して故障のリスクを気にする方は多くいらっしゃいます。
特にイタリア車は、ドイツ車などに比べると壊れやすいというイメージがあるかもしれません。
しかし、イタリア車も国際基準に沿って開発を行っており、販売するにあたっての試験も徹底しているため、そこまで故障するリスクが高いわけではありません。
路上や交差点でエンジントラブルなどを起こして、立ち往生してしまうといったトラブルもほとんど見受けられません。
日常的な運転であれば国産車同様に安心してお乗りいただけるでしょう。
フィアット500ツインエアの評価は?
フィアット500のツインエアは、デビュー直後の2011年に下記の2冠に輝いています。
- グリーンエンジン・オブ・ザ・イヤー
- インターナショナルエンジン・オブ・ザ・イヤー
この年、トヨタ・プリウスのハイブリッドシステム(1.8リットル直4+モーター)を抑えての高評価を得ました。
ツインエアは、欧州複合モード燃費23km/リットル、CO2排出量95g/kmという高い環境性能から「ダウンサイジングに最も成功したエンジン」と評価されています。
フィアット500ツインエアの中古価格は?
現在のフィアット500ツインエアの中古価格は100万~350万と非常の幅広いレンジとなっております。
もちろん生産してから時間がたっていない、走行距離が短い個体は中古価格が高くなってきます。
またグレードやオプションによっても変動します。
なので基本的に維持費と修理費等を考えると最低でも200万ほど用意して購入するのがベストと言えるでしょう。
フィアット500ツインエアを中古で購入する際の注意点
中古車を選ぶ際には、希望に合う車種や仕様の中からトラブルが発生しにくい車を見つけることが大切です。
ここでは、中古車を選ぶ際に確認しておきたいポイントを紹介します。
●エアコンのコンプレッサーを確認
年数や距離を走ったフィアット500の中古車では、エアコンのガスを圧縮するコンプレッサーの故障が多いようです。
焼き付きやガラガラ音、コトコト音などがする場合はコンプレッサーが正常に作動していない可能性があります。
故障の可能性があるため実車確認の際に注意して確認するとよいでしょう。
●エンジン内を確認
まずはエンジンをかけて変な音がしないかチェックしましょう。
さらに、エンジンルームを開けて、エンジンの内部が焦げ付いていないかなどを確認します。
また、ラジエターホースに水漏れがないか、オイル漏れをした形跡がないかを見ておくと安心です。
●ゴム製品部分を確認
フィアット500の中古車を購入する場合は、ゴム製品のチェックも欠かせません。
そもそも車は製造国の気候や走行環境を基準にして製造されています。
フィアット500もイタリアの環境下で走行テストなどが行われているため、日本の環境になじまない部分もあります。
●リコール対象車かを確認
購入したい車がリコールの対象車になっていないかを確認することも大切です。
リコールの対象車を知らずに乗っていると故障のリスクがあるだけでなく、重大な事故につながることもあります。
2023年3月時点で、リコールが出ているフィアットの型式は次のとおりです。
型式 | 通称名 | リコール対象車の車台番号(シリアル番号) 範囲及び輸入期間 | リコール対象車の台数 |
ABA-31209 | 「500」「500C」 | ZFA312000 00757914~ZFA312000 00990738 | 4,359 台 |
平成 23 年 11 月 26 日~平成 25 年 9 月 21 日 | |||
ZFA312000 0J000003~ZFA312000 0J197198 | 3,115 台 | ||
平成 25 年 5 月 14 日~平成 26 年 6 月 26 日 | |||
ABA-31212 | 「500」「500C」 | ZFA312000 00757931~ZFA312000 00987254 | 2,025 台 |
平成 23 年 11 月 26 日~平成 25 年 9 月 11 日 | |||
ZFA312000 0J002724~ZFA312000 0J199705 | 1,868 台 | ||
平成 25 年 6 月 25 日~平成 26 年 6 月 26 日 | |||
ABA-312141 | 「アバルト 500」「アバルト 500C」 | ZFA312000 00761134~ZFA312000 00996938 | 328 台 |
平成 23 年 11 月 26 日~平成 25 年 6 月 25 日 | |||
ZFA312000 0J001652~ZFA312000 0J193077 | 403 台 | ||
平成 25 年 6 月 25 日~平成 26 年 6 月 26 日 | |||
ABA-312142 | 「アバルト 500」「アバルト 500C」 | ZFA312000 00760924~ZFA312000 00988619 | 720 台 |
平成 23 年 11 月 26 日~平成 25 年 6 月 25 日 | |||
ZFA312000 0J000504~ZFA312000 0J175304 | 1,097 台 | ||
平成 25 年 6 月 25 日~平成 26 年 6 月 4 日 |
フィアットパンダも生産終了?
同じツインエアエンジンを搭載したパンダは最終モデル「パンダ クロス 4×4」をもって生産を終了します。
現行3代目モデルは2013年より日本市場に導入されてきた。
しかし、2023年10月末をもって0.9リットルツインエアエンジンの生産が終了になったことにより、この限定車がパンダ最終モデルとなる。
ただし、他のエンジンを載せたパンダの販売続行するため引き続き購入は可能になります。
「フィアット500 ツインエア 生産終了」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:根強い人気のツインエアは今後の中古市場に注目!
ここまでフィアット500ツインエアについて紹介してきましたがいかがでしょうか?
4気筒メインの自動車業界で今日まで2気筒エンジンを制作してきたフィアットです。
しかし、温暖化や排ガス規制等でついに名機の生産が終了してしまいました。
フィアットに限らず世界的に電気自動車やハイブリッドに移行し始めてさらに今後内燃機関搭載の中古車の価値が上がってきています。
その中でも唯一無二の存在であるフィアット500ツインエアは間違いなく中古車価格が上昇すると予想されるます。
なので、購入を考えているのであれば早めにすることをお勧めします。
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