ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンが製造・販売している「パサート」。
その歴史は長く、1973年まで遡ります。
パサートには複数のタイプがありますが、そのなかでも5ドアワゴンタイプがヴァリアント(以下、「パサートヴァリアント」と表記)です。
パサートヴァリアントも初代からラインナップされており、2015年には現行型の6代目が登場しました。
2024年には7代目のパサートの登場が発表されていて、ボディタイプは5ドアワゴンのみのラインナップとなり、セダンを廃止しパサートヴァリアントに一本化される予定です(2024年4月現在)。
この記事では、パサートヴァリアントの中古車が安価な理由や故障率などについて紹介していきます。
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パサートヴァリアントはなぜ安い?
パサートヴァリアントは2005年に登場した5代目から高級車路線になりました(2024年4月現在)。
それにも関わらず、新車販売価格が抑えられ、さらに中古車は非常に手の届きやすい価格となっています。
この項目では、パサートヴァリアントが安い理由を紹介します。
製造コストを抑えている
パサートヴァリアントに限った話ではないのですが、最近の量産車は製造コストを抑えるために部品の共通化をしています。
一昔前のように、その車種の専用設計となると個別に成形や加工をする必要がありますが、それを共通化することで効率が格段に向上しコストダウンに繋がっています。
パサートヴァリアントもそういった企業努力によって、高品質・高性能でありながら比較的価格が抑えられていると言えるでしょう。
マイナーチェンジの度に価格か安くなる
こちらもパサートヴァリアントに限った話ではなく自動車というものは、マイナーチェンジ、さらにはフルモデルチェンジが行われ新しいモデルが登場します。
新しいモデルは性能向上やデザイン変更が行われるため、通常は旧モデルよりも良い製品になります。
そのため、マイナーチェンジやフルモデルチェンジのタイミングで、旧モデルの中古車価格は下がります。
他車種の人気による影響
海外自動車メーカーで購入を検討した場合、フォルクスワーゲン以外にもたくさんのメーカーがあります。
そして、フォルクスワーゲンといっても車種は様々です。
フォルクスワーゲンの車種を人気順で以下にまとめました(2024年4月現在)。
順位 | 車種 |
1位 | ゴルフ |
2位 | ザ・ビートル |
3位 | ポロ |
・・・ | ・・・ |
13位 | パサートヴァリアント |
上記のように、フォルクスワーゲンに絞ってもパサートヴァリアントは人気車種とは言えません。
他メーカーも候補に入れた場合、さらにパサートヴァリアントが選ばれる可能性は下がるでしょう。
ディーラーが少ない
フォルクスワーゲンなどの海外自動車メーカーは、そのディーラーも国産メーカーよりも圧倒的に少ないです。
そのため、日本国内での自動車シェアも国産自動車メーカーが大部分を占めています。
需要についても同じことが言え、フォルクスワーゲンを含めた海外自動車メーカーの中古車は販売価格が低い傾向にあります(一部を除く)。
パサートヴァリアントの燃費は?
パサートヴァリアントの現行型について、カタログ燃費を以下にまとめました。
グレード | 燃料 | 燃費(WLTCモード) | 最高出力 |
TDI 2.0Lディーゼルターボ | 軽油 | 16.4km/L | 140kW(190馬力) |
TSI 1.5Lガソリンターボ | ハイオク | 15.0km/L | 110kW(150馬力) |
TDIの方がTSIより新車販売価格で40万円ほど高くはなりますが、燃費性能とエンジン性能はTDIの方が優れています。
パサートヴァリアントの故障率は?
パサートヴァリアントの故障率は、国産自動車メーカーの車と比較すると高いと言わざるを得ないでしょう。
海外自動車メーカーの車は「壊れやすい」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
国産自動車メーカーの車だと「10万kmまではオイル交換くらいしか手がかからない」という感覚もありますね。
それは日本の気候(高温多湿)向けに作られているので故障が少なくなります。
そのため、国産車と外国車を比較すると「壊れやすい」といった評価をされてしまいます。
実は外国車は「メンテナンスや部品交換をしながら自動車を維持していく」という考えを元にして作られています。
国産車と同じ感覚で乗っていると「不具合が起きて部品交換が必要になった」といった事態になり、結果的に「壊れやすい」というイメージを持ってしまうのです。
ディーラーなど優良な販売店から必要に応じてメンテナンスをしてもらい事前に劣化した部品を交換するなどの対応できていれば、「壊れやすい」といったことはないでしょう。
その際も“部品を交換する = 故障”という考え方ではないことも外国車を乗る上での心構えとなります。
パサートヴァリアントのリコールは?
リコール制度については以下を確認してください。
リコール制度とは、設計・製造過程に問題があったために、自動車メーカーが自らの判断により、国土交通大臣に事前届出を行った上で回収・修理を行い、事故・トラブルを未然に防止する制度です。
引用元:国土交通省
パサートヴァリアントについても、2019年4月にリコールの届け出が行われています(2024年4月現在)。
燃料タンクからガソリンや軽油を吸い上げるポンプに不具合があったことで、ディーラーでリコール対応による措置が行われました。
パサートヴァリアントを中古車で購入の際は、その車両がリコール対応の措置を受けているかを確認しましょう。
パサートヴァリアントは何年乗れる?
パサートヴァリアントは適切なメンテナンスを行うことで、走行距離にして32万kmから40万kmは乗ることができます。
1年間で2万km走るとすると、16年から20年は乗れる計算です。
当然その間に各部品の経年劣化が想定され、海外自動車メーカーの車は部品代が高額になることで知られています。
長く乗っている場合、部品代 + 工賃が高額になることがありますが、その際またはそうなる前に乗り換えるか判断することになるでしょう。
パサートヴァリアントの中古を購入する際の注意点
パサートヴァリアントのような海外自動車メーカーを中古車で購入する場合、“適切にメンテナンスや部品交換がされているか”が重要なポイントになります。
ディーラーによる認定中古車など、メンテナンス記録がしっかり残っている車両の購入がオススメです。
外国車の部品は高額になるので、単純に「安いから」という理由で購入すると結果的に修理や部品交換で出費がかさむ可能性が考えられます。
パサートヴァリアントの中古車を購入したけど、すぐに故障してしまい多額の修理費用がかかった。
そういったことがないように、購入を検討している方の希望する条件でより良い車両を選ぶことが注意点となります。
パサートヴァリアントのおすすめグレードは?
パサートヴァリアントのオススメグレードはディーゼルターボモデルである“TDI”です。
ガソリンターボモデルよりも若干高額にはなりますが、燃費性能とエンジン性能に優れているため、その差額以上に満足できるでしょう。
スポーティーな見た目や走りを求めているドライバーには、“TDI R-Line”がオススメですが、さらに高額になるため予算と相談しましょう。
パサートヴァリアントを購入した人の口コミ・評判
パサートヴァリアントを買って満足した人の口コミ・評判
内装の重厚感に満足した後は、その走りが最高でした。街中の普段使いから高速に乗っての遠出まで、全くの違和感なく、なめらかな加速には感動を覚えます。巨体の割にアクセルを踏み込んだ時のなめらかな加速は、もっと遠くまで行きたいと免許取りたてのときのような感覚を思い出させてくれました。しばらく走ってみると少し心配だった燃費も思っているほど悪くなく、満足しています。また、ラゲッジスペースが本当に広いので、安心して大きな買い物にも行けそうです。
引用元:ガリバー
フォルクスワーゲン パサートヴァリアントは、ドイツ車らしいがっちりとした外観のクルマです。
引用元:ガリバー
派手さはなくシンプルですが、その分長く付き合っていけるのではないかと思います。
ややオーバーサイズ気味のタイヤがしっかりとした走りをしてくれます。
安定性があって、乗り心地は良いほうだと思います。
燃費は街乗りで12km/Lほどなので、決して悪くは無いと感じます。
ハイオク仕様ですが、そのへんは致し方ないかな、と。
後部座席に余裕があり、室内空間はとてもゆったりとしているため、お子さんが多い世帯にはちょうど良い車種ではないかと思います。
ただ大きいだけではなく、気品があるところはさすがワーゲンだなあ、と思わせてくれますね。
コストパフォーマンスが高いクルマだと思います。
【エクステリア】
引用元:価格.com
普通。ギラギラしておらず、上品な感じ。ドアは重厚感がある。
(中略)
【エンジン性能】
ディーゼル、普通に進む。ガラガラ音は車内にはあまり入ってこない。
【走行性能】
普通。他モデル含めてフォルクスワーゲンのブレーキはタッチがマイルド?あまりガツンと来ない気がする。
【乗り心地】
普通。静粛性は高い。ちなみに、ゴルフも静粛性高かった。
(中略)
【価格】
スタートは500万から。この車を新車で買う理由はない。中古車サイト見れば、年式高く走行距離も少ない認定中古車でもかなりお得に出ている。リセールは悪いと思われる。
パサートヴァリアントのエクステリアとインテリアについて、シンプルで重厚感があり上品な点が高評価を得ています。
特にシンプルである点は、飽きが来ないため長く乗ることができそうですね。
TDIはディーゼルエンジン搭載ですが、独特の「ガラガラ」としたエンジン音は車内では気にならないくらいに静粛性が高いため、高級感のある乗り心地に満足できるでしょう。
ラゲッジスペースの広さについても満足している意見が多く見られました。
大きな荷物も載せることができるため、買い物だけではなくキャンプやレジャーなどの道具をたくさん積んでアウトドアも楽しめそうですね。
室内空間もゆったりしているため、ファミリーカーとしても活躍できそうです。
決して軽量な車ではないのですが、エンジンパワーは十分のようで加速感も悪くないとの評価がされています。
走りについても特に欠点はないようです。
ガソリンモデル(TSI)とディーゼル(TDI)はどちらもターボチャージャーが付いていますが、燃費も良好であるためお財布に優しいですね。
パサートヴァリアントを買って後悔した人の口コミ・評判
まず、ゴルフとの共用・流用パーツが多いです。シャシー、サス形状
引用元:グーネット
ドアミラーその他ムービングパーツやインテリア、エクステリア
ゴルフからの乗り換えの身には少々残念です。超高剛性をうたっている
ボディですが、1Kゴルフに比べるとほんの少し弱い気がします。
触ればケガをするんじゃないかと思えるほどのフェンダーのプレスライン等、今でも十分通用しますね。
ただし、顔つきだけは大人しすぎるというか、オヤジくさいというか、そういう感じは受けますが。(中略)
高速を試していないので何とも言えませんが、パワーは十分で反応も良いと言えるでしょう。が、音がうるさい。
引用元:価格.com
(中略)
また、走っている際はいいですが、停車時はカラカラ音とステアリングに伝わる振動が、ディーゼルであることをハッキリ意識させます。
購入して6年目に入りました。停車後発進する時、特に坂道だとトルクが足りないと思うようになりました。車検の際に伝えましたが特に手をかけるようなことはないとのことでした。ただ気になるのでスポーツモードで回転上げて発進する様にすると少しましになったかなと感じます。
引用元:価格.com
(中略)
2016年から乗ってます。いい車でしたが発進のがたつきが気になるようになりました。大きく壊れる前に乗り換えることにしました。
パサートヴァリアントのシンプルな見た目は高評価を得ていますが、「おとなしい(落ち着いた)」印象があるため、少し年配向けと感じてしまう方もいるようです。
近年の量産車には多いのですが、パサートヴァリアントも製造コストを抑えるため、部品の共通化をしています。
そこに気づいた方は、どうしてもコストダウンとわかるため、高級感も半減してしまうのでしょう。
内装は部分的に樹脂パーツが使われているため、過度に高級感を期待せずに価格相応と割り切ることにもなりそうです。
ディーゼルエンジンのエンジン音と振動は、ドライバーによって気になったりそうでなかったりという程度のため、購入前に自身はどうなのかを確認した方が安心でしょう。
車内の広さはファミリーカーにも向いていますが、後部座席に大人3名は圧迫感がありそうですね。
最低地上高が低い点は、大人だと少し不便なようですが、お子さんには丁度良いのかもしれません。
長く乗っていると、どうしてもエンジンパワーの低下や振動が気になる(特にディーゼルモデル)ようです。
中古車で購入する場合は、走行距離があまりに多い車両は避けた方が良いでしょう。
パサートヴァリアントは欠点もありますが、ドライバーによっては気にならない程度と言えるでしょう。
ただし、魅力を考慮したとしても新車で購入するには割高な車のようです。
中古車で状態の良い車両でもそこまで高額ではないため、あえて新車で購入する必要はないのかもしれません。
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まとめ:パサートヴァリアントに安い理由はあるが魅力の多い車
パサートヴァリアントは高級車でありながらも、部品の共通化などにより高品質・高性能を維持しながらも価格は抑えられています。
それでも新車販売価格は500万円を超えるため、魅力のある車とは言え気軽には買えないですね。
しかし、パサートヴァリアントのような海外自動車メーカーの車は中古車になると価格がかなり下がります。
ディーラーによる認定中古車であればしっかりメンテナンスがされ状態が良く、手の届きやすい価格で購入することが可能です。
パサートヴァリアントの購入を迷っている方は、この記事を参考にして中古車で購入してみてはいかがでしょうか。
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